西ガーツ山脈 (Western Gahts)
1. ヒルステーション (Hill Station)
○ ポンムディ (Ponmudi)
ポンムディは州都トリヴァンドラムから、北東方向に約1時間半くらいの所にある。
距離はそれほどでもないが、途中から山道になるため少し時間がかかる場合もある。
西ガーツの麓に来ると、ココナツやバナナの林の他に、
ゴムのプランテーションもよく目につくようになる。
頂上近くは樹の少ない草原になり、360度の眺望が開ける。
ヒルステーションのレストランで食事をとり、またベッドのある部屋を借りて
休憩することもできる。レストランは大勢の人達でにぎわっている。




○ ムナール (Munnar)
ムナールは広大なティープランテーションがあるケララの中でも有数の観光地だ。
トリヴァンドラムからは遠く、車で5時間程だがコチからは車で約3時間である。
2000m級の山々の中に茶畑、滝や美しい湖などが点在する景観は壮大である。
ティープランテーションの中には紅茶の販売店があり、幾種類かの紅茶や有機栽培
の紅茶をお手頃な値段で買い求めることができる。
山岳の麓のバスターミナルの付近には、レストランやスパイスの小売店も多く買い物を
楽しめる。





3. ワイルドライフサンクチュアリ (Wild life Sanctuary)
○ ネイヤール (Neyyar Reserver)
インド全土で515カ所のワイルドライフサンクチュアリがある中で、
ケララ州には13カ所のワイルドライフサンクチュアリが指定されている。
サンクチュアリのなかにはタイガーリザーブのある地域もあり、
ケララでは、PeriyarとParambikulam Tiger Reserveの2カ所がある。
ここで紹介するネイヤールワイルドライフサンクチュアリはトリヴァンドラムから
比較的近距離の西ガーツ山脈の南側にあるサンクチュアリだ。
トリヴァンドラムからインド陸軍のベースキャンプを通り、車で約1時間行くと
ネイヤール川をせき止めたダムに到着する。その奥のネイヤール川上流域にかけて
128K平米の地域が保護区である。
そこにはインディアンクロコダイル (Muggar Crocodile)の飼育場があり
見学できるが、静かに横たわっているワニが多く、10数分の見学ですむほどだ。
このサンクチュアリには、ニルギリランガー ( Nilgiri Langer )、
ニルギリアイベックス ( Nilgiri Tahr )、鹿や熊の他に象、豹や虎などが生息している。



ちょっとインフォメーション;
○ 紅茶;Tea
ムナールはニルギリ(ニルギリティーが有名)の南側に続く南インド最大級の
ティープランテーションのある所です。
紅茶のブランド名はカナンディヴァンで巨大企業 TATA傘下の会社が運営するプランテーションです。
紅茶の色は濃いめですがすっきりとした味わいが楽しめます。
チャイに使われるパウダータイプのものと、ちょっと細かめのリーフタイプが
あります。あまり重くないのでいくつか買って一年中楽しむと良いでしょう。
(カナンディヴァンの紅茶は都市部のスーパーでも買うことができます)

○ スパイス;Spice
ケララの山岳地は、スパイスの一大生産地です。
コショー、クローブ、クミンシード、ターメリック、クラッシュドチリの他カルダモンなど
フレッシュなスパイスが揃っています。
都市部などでもスーパーや専門店でスパイスを買うことができますが、
やはり生産地が一番、カルダモンは緑色で大粒のものを買い求めることができます。
コショーは比較的安いものですが、カルダモンはコショーの6〜8倍の値段です。
日本の家庭では使い道は少なく大量には必要ないでしょうが、
コショーで500g、カルダモンなら250gくらいあれば料理などに使って
長い期間楽しめると思います。
スーパーではパッケージで買うことができるので、お土産に利用しても良いでしょう。

○ インドライオン; Asiatic Lion
インドは驚く程人口が多い国ですが、インドにしか残っていない絶滅危惧種の動物も
たくさんいます。
象( スリランカや東南アジアにも生息 )、サイ、虎、豹、雪豹などですが、
ライオンもその中のひとつに数えられます。
インドライオンはかつて中東からインド東端にかけて広く分布していましたが、
20世紀初頭には、メソポタミア地域やイランなどで絶滅してしまいました。
インドでも東側の地域では既に絶滅し、グジャラート州の
Gir Forest National Park にわずか411頭が生息しているだけです。
ベンガル虎も1970年代には、インド全土で1,800頭にまで激減しましたが、
インド政府がプロジェクトタイガーを立ち上げ、インド各地にタイガーリザーブを設けて
保護に努めた結果、現在は2,300頭程に回復してきているということです。
絶滅の危機を招いたのはすべて人間の手によるものです。
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インドライオン Sumeet Moghe 撮影 |

ベンガルタイガー sbj1976 撮影